はじめに:なぜ良い商品やサービスが売れないのか?
世の中には、素晴らしい商品やサービスがたくさんあります。でも、それが売れないこと、意外と多いんですよね。
なぜか?答えはシンプル。「伝わっていない」からです。いくら良いものを持っていても、相手にちゃんと響かなければ意味がない。
だからこそ、「何を伝えるか」よりも「どう伝えるか」が今の時代、最も大切なスキルになってきているんです。
最初は「良いものを作れば売れる」と思っていた。でも現実は違う。どれだけ時間をかけて完璧な商品を作っても、伝え方が下手だと全く響かない。逆に、そこそこの商品でも伝え方が上手い人はバンバン売れていく。
この現実を受け入れるのに時間がかかりましたが、受け入れてからは人生が変わりました。
1. コミュニケーションの本質とは?
言葉は単なる情報の伝達手段ではありません。もっと深いところにあるのは、相手の頭にどんな「絵」が浮かぶか?ということ。
例えば「犬」という言葉を聞いた時、あなたはどんなイメージが浮かびますか?
- かわいい子犬の姿?
- 昔噛まれたトラウマ?
- 忠実な番犬?
- 散歩中の愛犬との思い出?
- アニメの主人公の相棒?
同じ言葉でも、受け取る人によって頭に浮かぶ「絵」は全然違います。これがコミュニケーションの面白いところでもあり、難しいところでもある。
つまり、伝わるコミュニケーションとは、相手が思い描く絵を想像しながら言葉を選ぶことなんです。
俺が営業をやっていた頃、同じ商品説明をしても相手によって反応が全然違うことに気づきました。ある人には「安心できる」と言われ、別の人には「物足りない」と言われる。同じ商品なのに、なぜ?
答えは簡単。その人の頭に浮かんだ「絵」が違ったからです。安心を求めている人には安心の絵が浮かび、刺激を求めている人には退屈な絵が浮かんだ。だから、相手が何を求めているかを察知して、それに合わせた「絵」を描けるような言葉を選ぶことが重要なんです。
2. 「伝える」じゃなく「伝わる」言葉を選ぶ
俺も昔は「正しいことを言えば伝わる」と思ってました。でも違った。
相手が「責められてる」と感じたら、どんなに正論でも届かないんです。人間の脳は感情が先、理性が後。感情が拒否反応を示したら、その後の理屈なんて聞いてもらえません。
だから、言葉は感情の受け皿になるように選ばないといけない。相手が安心して聞ける空気を作ることが大事。
まずは安心感を与え、そのうえで言葉を届ける。これが伝わるコミュニケーションの土台です。
例えば、部下に改善点を伝える時。「君のやり方は間違っている」と言うのと、「もっと良くなる方法があると思うんだけど、一緒に考えてみない?」と言うのでは、相手の受け取り方が全然違います。
前者は相手を否定している。後者は相手を認めつつ、一緒に向上しようと提案している。内容は同じでも、相手の感情に与える影響が正反対です。
これを意識するようになってから、俺の周りの人間関係も劇的に改善しました。部下は積極的に相談してくるようになったし、取引先との関係もずっとスムーズになった。
3. 五感で伝え、五感で受け取るコミュニケーション
コミュニケーションは言葉だけじゃない。表情や沈黙、間の取り方も含めて、すべてがメッセージです。
営業やプレゼンを何度もやってきて実感してるのは、声のトーンや目線、相手の反応に合わせた間合いで結果が大きく変わるということ。
だからこそ、稼ぎたいなら言葉以上に「空気を読む力」を磨けって話です。
相手の表情がこわばったら、話のペースを落とす。相手が前のめりになったら、もう少し詳しく話す。相手が時計を見たら、簡潔にまとめに入る。こういう微細な変化を感じ取れるかどうかで、コミュニケーションの質は大きく変わります。
オンラインミーティングが増えた今、この感覚はより重要になっています。画面越しでも相手の反応を読み取り、適切に対応できる人とそうでない人の差は明らかです。
4. 信頼を生む「理解されている」と思わせる技術
信頼とは「理解されている」と感じた時に生まれます。
- 相手の立場を想像する
- 相手の経験や常識に敬意を払う
- そのうえで自分の意見を伝える
- 相手の価値観を否定せずに、新しい視点を提供する
- 相手の感情や状況に配慮した言葉選びをする
このサイクルができると、「また話したい」「この人から買いたい」と思われるようになります。
ビジネスでも恋愛でも、共感こそ最大の武器です。
俺が最初に大きな契約を取れた時のことを覚えています。相手は業界のベテランで、正直俺なんかより遥かに知識も経験もある人でした。でも、その人の話をじっくり聞いて、「その経験があるからこそ、この提案が価値あるものになると思うんです」と伝えたら、その瞬間に相手の表情が変わりました。
「君は分かってくれるな」と言われたのを今でも覚えています。技術的な説明よりも、相手を理解しようとする姿勢が信頼につながったんです。
5. 面白さの本質:「2種類の面白い」と「絵の共有」
「面白い」には実は2種類あるんです。
- ファニー(Funny):笑える、一時的に盛り上がるお笑い系
- インタレスティング(Interesting):興味を引き、心を動かす面白さ
ファニーはその場限りの笑い、すぐ忘れられることも多いですが、インタレスティングは記憶に残り、ファンや信頼につながります。
SNSのバズネタはFunny寄り、YouTubeでじわじわ伸びる人はInterestingタイプが多いですね。
ここで、最初の「犬」の話に戻ります。言葉を聞いた時に相手の頭に浮かぶ「絵」が人によって全く違うのと同じで、面白さの本質は、この「絵の共有」がどれだけ鮮やかで意外性があり記憶に残るかにかかっているんです。
つまり、面白い話とは、相手の頭に思いがけない絵やシーンを生み出し、「その発想なかった」「それ想像すると笑える」といった反応を引き出すこと。
だから、話し手は「自分の見えている世界」を相手が思い浮かべやすい言葉に翻訳する技術が必要です。
これができると、笑わせることも興味を惹くことも自由自在になります。
稼ぎたいなら、笑わせるだけでなく、興味を引いて心を動かせ。
Funnyな内容は瞬間的にバズるけど、Interestingな内容は長期的に価値を生み続けます。どちらも大切ですが、継続的に稼ぎたいならInterestingな面白さを磨くべきです。
6. メタ視点(メタ認知)がもたらす強み
「メタ視点」とは、自分が今どう考えているかや、相手とのやり取り全体を俯瞰して見る力のこと。
- 自分の話し方がどう聞こえているか
- 相手が今どう感じているか
- 会話全体の流れがどうなっているか
- この場面で何が最も重要な目的か
- お互いの立場や利害関係はどうなっているか
この力があれば、場を読み柔軟に対応できるし、トラブルにも強くなります。
稼げる人はたいてい、このメタ視点を持っています。
例えば、クレーム対応の時。相手は怒っているけど、メタ視点で見ると「困っているから助けを求めている」「認めてもらいたいから声を上げている」ということが分かります。そうすると、感情的に反応するのではなく、相手の真の欲求に応えることができます。
7. 素直な感情が最大の説得力になる理由
テクニックより大事なのは「本音」だと俺は思います。
「正直、めちゃくちゃ緊張してるんだよね」
「うまく言えないけど、伝えたいことがあるんだ」
そんな飾らない言葉は人の心を動かす力がある。
俺も昔は器用に話せなかったけど、素直な気持ちを込めて喋るだけで伝わる力は何倍にもなった。
変に格好つけようとしたり、完璧に見せようとしたりする必要はない。むしろ、そういう演技は相手にバレるし、距離を作ってしまう。
「めっちゃ緊張してるわ」「実はこれ、初めてなんだよね」「うまく説明できないけど」みたいな正直な気持ちを相手に伝えることで、逆に信頼が生まれる。
カッコつけた営業トークよりも、率直な想いの方が相手の心に響くんです。
8. お金を稼ぐために最も大切な武器はコミュニケーション力
1億円を目指す中で確信したのは、「何をやるか」より「どう伝えるか」のほうが大事だということ。
- 商品の魅力は説明ではなく共感で伝える
- 信頼は論理より空気感とトーンで積み上げる
- 成果は「一緒にやりたい」と思わせる言葉から生まれる
- 価値は相手が感じるものであり、伝え方で価値は何倍にもなる
- 長期的な関係は、一度の取引よりも遥かに価値がある
SNSやYouTubeでもバズるのは感情を動かす発信だ。言葉の選び方、ストーリー構成、視聴者との距離感すべてにコミュニケーション力が関わっている。
だから俺は断言する。「稼ぎたいならまず人と話す力を磨け」と。
AI時代になって、情報や技術はどんどん平準化されています。でも、人の心を動かすコミュニケーションは、まだまだ人間にしかできません。むしろ、技術が進歩すればするほど、人間らしいコミュニケーションの価値は高まっていくでしょう。
俺がこれまで様々なビジネスに挑戦してきて、成功と失敗を繰り返す中で学んだのは、結局のところ「人」がすべてだということです。良い人との出会い、信頼関係の構築、チームワーク、顧客との絆。これらすべてがコミュニケーション力にかかっています。
9. 実践的なコミュニケーション向上のための具体的ステップ
理論だけでは意味がありません。実際に改善していくための具体的な方法をお伝えします。
第一段階:自己観察力を高める
まずは自分のコミュニケーションパターンを客観視することから始めましょう。スマホの録音機能を使って、普段の会話を録音してみてください(相手の許可は必要ですが)。自分の話し方のクセ、相手の反応、会話の流れを冷静に分析してみると、多くの発見があります。
第二段階:相手の立場で考える習慣をつける
会話の前に「この人は今どんな気持ちだろう」「何を求めているだろう」「どんな状況にいるだろう」を考える習慣をつけましょう。これだけで、相手に寄り添った言葉選びができるようになります。
第三段階:フィードバックループを作る
信頼できる人に「俺の話し方ってどう?」「改善点があったら教えて」と素直に聞いてみてください。自分では気づかない盲点を指摘してもらえることがあります。
おわりに
どんな仕組みやテクノロジーも最後に勝つのは「人と人の信頼」です。
コミュニケーションとは、自分の感覚を相手に伝わる言葉で届けること。
この力は人生を豊かにし、確実にお金に変えられるスキルでもあります。
1億円おじさんの挑戦も、この伝わる力なしでは始まりませんでした。
あなたも今日から、「誰かの心に届く言葉」を意識し、面白さ(興味を引く力)を持って発信してみてください。
その先に、1億円という数字以上の価値が待っていると俺は信じています。
最後に一つ、大切なことを伝えたい。コミュニケーション力は一日では身につきません。でも、毎日少しずつ意識して改善していけば、必ず変化が現れます。俺自身、今でも学び続けているし、完璧だとは思っていません。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、今日より明日、明日より明後日と、少しずつでも成長し続けることです。その積み重ねが、やがて大きな成果となって返ってきます。
あなたの挑戦を心から応援しています。一緒に、伝わる力を磨いていきましょう。
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