現実は甘くない。せどりと単発バイトで生き延びる日々
「1億円おじさん」として所持金0円から1億円を目指す企画も4日目。今回は、離婚後の厳しい現実と向き合いながら、せどりに初チャレンジした一日を追った。果たして、理想と現実のギャップはどれほどのものなのか?
朝7時52分:物販の発送からスタート
朝から忙しい一日が始まった。999円で売れた商品の発送作業から始まり、午後2時からのタイミー(単発バイト)の準備を進める。しかし、ガソリンがまた半分を切っており、早速出費の予感が漂う。
「また半分打っちゃったのでガソリン入れて…」と、車中泊生活における燃料費の重さを痛感している様子だ。テープや爪切りなど、生活必需品の補充も必要で、100円ショップへの買い物リストも作成。午前中にブックオフでせどりも試してみる予定だという。
最初の失敗:QRコード読み取り忘れ
郵便局での発送作業で早速トラブル発生。商品をポストに投函した後、QRコードの読み取りを忘れてしまった。「やっちまった。やっちまったな」と嘆く声からは、こうした小さなミスが積み重なることへの焦りが伝わってくる。
郵便局員に相談したものの、ポストの鍵がなく、回収は11時40分まで待つ必要があった。しかし、在庫が1個あったため、結局は新しい商品を発送することで解決。効率を重視し、時間のロスを避ける判断を下した。
ガソリン代5963円の衝撃
ガソリンスタンドでの給油は33リットルで5963円。前回の給油から4日間での消費を考えると、1日あたり約1500円のガソリン代がかかっている計算だ。「これは高いのか?」と自問する様子からは、車中泊生活のコストパフォーマンスへの疑問が見て取れる。
「1日1500円使うんだったら家借りた方がいいって思っちゃった」という発言は、現在の生活スタイルの見直しを迫られている現実を物語っている。
初挑戦:ブックオフでせどり体験
午前中、満を持してブックオフでのせどりに初挑戦。事前に調べた情報を元に、スマホのAmazonアプリでバーコードを読み取り、価格差のある商品を探す作業に取り組んだ。
せどりの現実:利益を出すのは想像以上に困難
約30分間で30個ほどの商品をチェックしたが、結果は厳しいものだった。「ほとんど利益は出ないんですけど、1個か2個は、まあ、トントンか利益ちょい出るぐらいな感じなものはありました」と振り返る。
特に印象的だったのは、本の単価の低さについての気づきだ。「本って実は単価安いんすよね。だから2000円とか3000円って結構高い方だと思うんだ。ほとんど1000円、2000円じゃないですか」
時間効率の悪さも課題として浮上。「労力の割には見合わないんじゃないかな」という結論に至り、より高単価なゲームなどへの戦略変更の必要性を感じている。
午後2時〜5時:タイミーでの肉体労働
午後は業務用洗濯屋でのタイミー作業。看護師のエプロンや制服、ジムのタオルなどを3時間かけて畳み続けた。外気温36度という猛暑の中での肉体労働は、想像以上に体力を消耗させる。
「めちゃくちゃあのエネルギー消費がやばすぎてちょっと疲れて」と語る様子からは、単発バイトの過酷さが伝わってくる。しかし、確実に収入を得られる手段として、タイミーへの依存度は高まっている。
束の間の癒し:清川での水浴び
一日の疲れを癒すため、清川の河原で水浴びを楽しんだ。「清川のプール楽しかった。ここ使ってきました。めちゃめちゃちょうどいいスペース」と、自然の中での時間を満喫している様子だ。
車中泊生活では入浴施設の利用にもコストがかかるため、こうした自然の恵みは貴重な存在。「水につかるっていうのはなんかすごい体がシャキッとした感じがします」という言葉からは、小さな幸せを見つける力強さを感じる。
離婚の背景と今後への不安
夜の振り返りの中で、現在神奈川にいる理由について初めて詳しく語られた。「最近離婚したんですよ。で、その最近離婚して、ま、家を出たんです」という告白は、この企画の背景にある深刻な人生の転機を物語っている。
元妻の引っ越し手伝いのために神奈川に留まっているものの、「別に神奈川にいる必要ないんですけどね、正直」と、今後の居住地についても模索中だ。東京や埼玉での家探しも視野に入れており、八王子で家賃3万円のワンルームを見つけたという情報も収集している。
収支の現実:1日62円のプラス
この日の詳細な収支は以下の通り:
- 朝食:277円
- 夕食:469円
- ガソリン代:5963円
- 物販売上:999円
- 合計:62円のプラス
「トントンってどうなんだ?」という疑問の声からは、このギリギリの生活への不安が滲み出ている。4日間で18000円を稼いでいるものの、同程度の支出もあり、「なんかあったらもう終わり」という危機感は常に付きまとう。
クラウドワークスの面接:新たな希望
明るいニュースとして、クラウドワークスでの面接が決まった。8月1日12時半からのZoom面接で、ネット系の仕事への転機の可能性が見えてきた。「数打ち当たりそうなんすよね。クラウドワックスだからもう仕事なんてどれでもなるわ」という楽観的な発言からは、新しい道への期待が感じられる。
技術的な課題:動画アップロードの困難
5年前に1円で入手したという古いスマホでのテザリングによるネット環境は、動画アップロードに大きな支障をきたしている。12GBの動画ファイルのアップロードに一晩中かかり、「何回も切れて、何回も切れて」という状況は、情報発信における技術的なハードルの高さを物語っている。
まとめ:現実と向き合う4日目
1億円おじさんの4日目は、理想と現実のギャップを痛感する一日となった。せどりの初挑戦は思うような結果にならず、車中泊生活のコストの高さも浮き彫りになった。しかし、タイミーでの確実な収入源の確保や、クラウドワークスでの新しい可能性など、前向きな要素も見えてきている。
離婚という人生の大きな転機を迎えながらも、1日62円でも黒字を維持している現実は、決して楽ではないものの、生き抜く力強さを感じさせる。「なんとかなるっしょって思ってる」という楽観的な姿勢と、「何をどうしたらいいのかな」という率直な迷いの両方を抱えながら、今日も前に進んでいく。
果たして所持金0円から1億円という目標は達成可能なのか。そのためには、現在の生活スタイルの抜本的な見直しと、より効率的な収入源の確保が急務となりそうだ。明日もまた、現実と向き合いながらの挑戦が続く。
付録:せどり初心者が知っておくべきポイント
今回のブックオフでのせどり体験から学んだポイントをまとめておく:
- バーコードスキャンアプリ(Amazonショッピングアプリなど)の活用
- 価格差は最低でも2倍以上を目安にする
- ランキング10万位以内の商品を選ぶ
- 本よりもゲームなど高単価商品の方が効率的
- 実際の売れ筋をメルカリなどでも確認する
ただし、時間効率を考えると、初心者には相当な学習コストがかかることも判明。より戦略的なアプローチが必要だろう。
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